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『人生は廻る輪のように』を読んで

私のメンターの一人、溝口あゆか先生の推薦図書『人生は廻る輪のように』を一気に読みました。

人生は廻る輪のように (角川文庫) 人生は廻る輪のように (角川文庫)
(2003/06)
エリザベス キューブラー・ロス

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ターミナル・ケア(終末期医療)のフロンティアであり、ベストセラー『死の瞬間』の著者であるエリザベス・キューブラー・ロス(1926~2004)という精神科医の自伝です。
この本を読むまで著者のことを知りませんでしたが、20世紀に大きな足跡を残した人物として欧米諸国では有名な方らしいです。
こんなに感動する本に出会ったのは久しぶり!
この本をぜひたくさんの人に読んでもらいたい!と高揚しながら読み進みました。
「死が怖い」という方、家族や自分がまさに「死」に直面している、大切な人を亡くした、という方に特におすすめしたいです。
まず、著者の人生が波乱に満ちていてドラマチックで、それだけでも読み応えがあります。
父親の反対を押し切っての医学の道への進学、大戦後ナチスへのレジスタンス運動との関わり、結婚とアメリカへの移住、終末医療への取り組み、夫との不和、離婚、殺人未遂被害、エイズ患者との関わり、放火によるすべての焼失、自身の脳梗塞による闘病生活・・・。ページをめくる手が止まりませんでした。
その上、「生きるとはどういうことか」「人生において大切なことは何か」といった究極的な、本質的なメッセージがたくさん散りばめられていて、とても考えさせられる内容でした。
「死」を不吉なものだと忌み嫌い、遠ざけようとする19~20世紀の科学的な見方で支配された西洋医学のフィールドにおいて、すさまじい差別と偏見と闘いながらも、死を肯定的にとらえ、「死」を生涯のメインテーマとして全身全霊で向き合うロス先生の生きざまは本当に感動的で、涙なしには読めません。
死を忌み嫌ってタブー視するのは、何もロス先生の活躍していた時代だけの話ではありません。
現代日本でも今でこそターミナル・ケア、ホスピスなどが充実してきてはいますが、やはり死はタブーであり、悲しいものであり、怖れるものという意識がまだまだ根深くあるような気がします。
自分の中にも死を忌み嫌っている部分が刷り込まれているのを否めませんが、そうやって錯覚を持つことに意味があるのでしょう。。。
生きる我々にとってどんな人も必ず通るべき道なのにね・・・。
正直に言うと、ずっと前に買っていた本だったのですが、なんとなく死というテーマについて読むことによって死の怖れが助長されるような感覚と、まだまだ自分には関係がない、という感覚があったのでなかなか読めずにいたのです。
しかし、今回この本に出会ったことで、死に対する見方がガラッと変わったことは確かです。
もっと早く読めばよかった!!!
・・・今読む必要があったのでしょうが。
途中からは「臨死体験」「死者との交流」「チャネリング」など、とっても怪しい(?)お話のオンパレードです。
まだ、臨死体験や死後生存いう言葉もなかった時代に、死を直前にした患者と向き合っているうちに、一部の人たちが共通の経験をしていることに着目します。
それは、死を宣告された患者がその時自分の肉体を離れ、愛としか表現しようのない心地よい光に包まれ、すでに他界した人たちと再会し、しかしもう一度この世に戻るように促されて(戻りたくないけどいやいや)生き返る、という体験です。
そして、そのような体験症例を世界中から集め、何万人といった患者と面接をし、そのデータを体系的にまとめます。
これを医学博士が行ったというところに意義があるのだと思います。
私はもちろん死後の世界を体験したことがないので、あるかどうかなんて本当のところわかりっこありません。
でも、ロス先生が語る宇宙観(他の本でも同じような記述をいっぱい読みましたが)が虚妄だと片づけるのはあまりにも惜しいです。
「死は怖いものではない」とポジティブにとらえられると、「死を間近にしている人」やそれを取り巻く人々との接し方も変わってきますし、何よりも生に対するとらえかたがよりポジティブになるような気がします。
そもそも私たちの悩みや問題のほとんどの根源は、死に対する怖れなわけですから、一度その部分とじっくり向き合うことにはとても意味のあることだと思うのです。
「死」は出口ではなく入り口である、悲しむべきは死の瞬間ではなく、むしろ生の瞬間である、というロス先生の深い愛のあるメッセージがとても印象的でした。
お求めやすい文庫本が出ています。ぜひ読んでみてください!
私もロス先生の本しばらく順番に読んでいこうと思います。

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