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絶望から見た世界

前々回に引き続き、またまた坂口恭平さんです。
彼の『家族の哲学』という本を読みました。
まさに今、わたしはこの本を読まされた感じ。
これまた前回に引き続き素晴らしい本です。

坂口恭平さんは、前回の記事にも言及しましたが、自ら躁うつであることを公表しています。
彼の作品の中にはいくつか他にも私小説があるようですが、この作品はいわば鬱状態の坂口さんの視点で書かれた私小説です。

不安と罪悪感とうしろめたさに苛まれる自分をとことんモニターし続け、掘り下げていく様子がつぶさに記録されています。
これはある種のセルフセラピー日記なのかもしれません。

分断された心の光と闇を統合していくには、まず闇の部分にスポットライトを当てていく必要があります。
奥さんのフーや長女のアオ、長男のゲンという現在の家族とのつながりによって、彼の深遠な闇の部分がどんどん表にあぶりだされていきます。

そして、彼の心がどうしてうまく機能しなくなったのか、そのルーツをたどっていくのが、幼年期や青春時代の回想シーンです。
父、母の影響、弟との関係、叔父や中学・高校時代に付き合っていた菜穂とのエピソード、、、。

この本を読んでいると、人間特有の心の動きがどうなっているのか、人格や心の傾向がどうやって作られていくのか、わたしたちカウンセラーやセラピストが何年もかけて学んできた心のしくみや、人が内観や瞑想を通じて知っていく森羅万象の法則を、彼はおそらくわかっていて書いているのでしょうが、それを「わかってるよ」とひけらかすわけでも、上から説いたり啓蒙しようとするわけでもなく、でもしっかりと読む人の心に光を降ろしてくることができる、、、この人やっぱ天才だと思いました(”いばや通信”の坂爪圭吾さんに通じるところがある気がする)。

わたしが今回特に印象に残ったのは、ものすごーく達観した視点を持つ著者の内在者が現れ、ウツの彼(そして読者)に向かって演説するところ(p.209からp.222の13ページに渡る)。著者の体験からしか出てこない言葉だけれど、まるで「神との対話」の神が語る真理のようで、この本のそれまでのエピソードはすべてこの部分のための布石だったのかなと思いました。

図書館で借りてきたので、この箇所だけは書き写しておこうかと思います。

さて、「死にたい」と闇のどん底でコントロール不能になっているそんな著者を引っ張り上げるのは、奥さんのフーと子どもたち。
この奥さんがこれまたまじスゴイ人です。天然カウンセラー、セラピスト、いやいやこれぞ本物の菩薩か・・・。

自己嫌悪感や不安、罪悪感の思考にまみれて、家長としての役割も果たせずただ部屋に引きこもるしかなくなる著者の状態を、まるで日々移り変わる風景や気象変動の一部かように平然と捉えているのです。

彼の不安や苦悩の告白を聞かないわけではない、無視しているわけではない。
「聞き流す」、、、ちゃんと聞いていて、囚われない。同意はしないけれど、理解は示す。調子が戻るのをただ黙って待つ。
そんな奥さんの態度や姿勢に救われているという著者。

子どもたちの前で弱気になったり、憂鬱になったり、発作的な行動をしてしまうことが、彼らの成育過程に悪影響を及ぼすのではないか、別居した方がいいのでは?自分は父親としての機能を果たせてない、、
そんな不安や罪悪感を度々訴える著者に対し、「たしかに、至らないところはいっぱいあるけれど、みんなそうやってやってきてるんだし、べつに完成された人間じゃなくてもいいんだから、子どもと一緒に育っていくしかないじゃん。・・・(彼らは)いつかあなたが元気になることも知ってるから!子どもは勝手に育つんだから大丈夫よ!」と、奥さんは普段の彼も、調子が悪い彼も対等に見ているし、子どものことも一人の人間としてちゃんと境界線を引いてみている。
わたしもそう思います。むしろ子どもたちが、「感情は抑え込まなくてもいい」ってことが学べるのは素晴らしいことだと。

「フーみたいになりたい」
そんな楽観的な視点を持つ、苦悩のない気楽なワンダーランドに住む彼女に嫉妬して著者が時々こぼすと、「あなたが私になっちゃったら、あまりにも何にもなさすぎて、空っぽすぎて、そっちのほうが辛くて、自殺しちゃうかもしれないよ」と奥さん(菩薩の境地)。

わたしはたまに憂鬱な気分になることはあっても、彼ほどの絶望の崖っぷち体験したことがないのです。
自分の見ている世界もまあ矛盾だらけでカオスだと感じることもあるけれど、描かれている著者の妄想の世界の比ではないなぁ。

坂口恭平さんの卓越した言語化能力のおかげで、彼のような真面目で繊細で、複雑で、日常が苦手な天才肌タイプから見た世界を少しでも垣間見れたのが本当に良かったと思います。
この本は恐らく、同類タイプの人たちに向けた福音書の役割をはたしているのだろうけれど、わたしのような凡人の心にも光が届けられるようになっているみたい。なんか、本当に脳がアップデートされた感じがします。

それから、わたしのような心理支援を生業としているものにとっては、彼もつ分断された心は、治療の対象であり、彼が本当に苦悩からの解放を望んでいるのなら(本を読むかぎりでは望んでいるみたいだけれど)、心理セラピー、瞑想、整体や呼吸法で自律神経緊張を緩和し、腸内環境を整え、その他わたしが信頼しているあらゆるツールを試して、機能する心を取り戻してもらうことは十分可能なのに、と職業柄すぐ考えてしまいます。

でも、彼の場合はどうなんだろう。
躁鬱によってできあがる坂口恭平ワールドによって、一家は生活できているわけだし、このようなたくさんの素晴らしい創作物ができあがっているわけだし、本人も「鬱は次のステージへ進むためのアップデートの状態」と前向きに捉えているみたいだし。

何より、カオスなのは彼の頭の中だけであって、実際は仕事も成功し、良い人達に囲まれ、ものすごく幸せそう・・・。

坂口恭平の場合は、創造活動=治療になるのかな。

大変よかったので、返却する前にもう一度読もう。

そしてできれば今度は同じ家族の日常を、奥さんのフーの視点から書かれたものを読んでみたいです。

お知らせ

見えない脅威から自分を守る講習会

世の中の電磁波汚染の実態や大気中の有害物質の量などを調べると、人間はとんでもない環境の中を日々過ごしているのだと驚かざるを得ません。
目に見えないため、どれほど怖いものかわかりにくい上、人体への影響もはっきりと公表されていないので対策が取りにくいという実情もあります。
健康に暮らすためにぜひ知ってもらいたい電磁波や大気汚染のこと、一緒に勉強しませんか?

日時:7月26日(水)10:00~11:30 パート1、電磁波カット器具手作り講習会
11:45~13:15 パート2、フリーエネルギー空気清浄機を作ろうの会

場所:世田谷

参加費:
パート1 、電磁波カット器具手作り講習会・・・6,000円(事前振込み、電磁波(電波のみ)カットの器具の材料費と検電器代込み)

パート2、フリーエネルギー空気清浄機を作ろうの会・・・5,000円(事前振込み、エアポンプ等材費込み)

前半の電磁波カット器具講習会とセット価格、
⇒10000円(以前に電磁波講習会を受けられた方は、4,000円でOKです)

詳しくはこちらの記事「電磁波から自分を守る」、「電磁波の身心(と霊性)への影響」をお読みください。

お問い合わせはこちらまで

東京個人セッション

ハートトークセラピーライトボディヒーリングボイスエンライトメント脳幹セラピー
7月24日(月)、25日(火)

場所:世田谷(予定)

お問い合わせはこちらまで

 

ほんとうの自分らしい声になるためのボイスエンライトメント講座

この講座では、自分にとって最も自然で、自分らしい本来の声を引き出していきます。
ここで紹介するメソッドは、何かを付け加える方法ではなく、余計なものを省いていく引き算的なメソッドで、身体や心を育みながら、自然を生かしていく、、、誰かに合って、誰かに合わない、というものではなく、誰にでも合う方法です。
声のための実習ですが、声=身体、声=心、なので、性格や体質、人生まで変わってしまいます。
ご一緒に、声を自在にしていく旅を一歩一歩楽しみましょう♪

【神戸】
7/30(日)10:30~12:30
9/18(月祝)13:00~15:00
場所:カフェ・ド・ジェーム(神戸元町)
参加費:2000円+ワンドリンク
参加人数:6名程度

【大阪】
8/8(火)10:30~12:30
8/21(月)10:30~12:30
参加費:クオレヴォーチェ千里サロン
参加費:2500円
参加人数:4名まで

【東京】
日時:7/25(水)13時~16時
場所:世田谷(お申込みの方に住所お知らせします)
参加費:3500円
参加人数:5名まで

 

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