分離意識の余り無い恒星系から転生して来た魂は、直観的に黎明期の地球の状態が異常であることを察知していましたし、周囲の経験豊富な人達、つまり比較的長期にわたって地球圏に表現を行ってきた魂達が、彼らの制約された自我意識によって「こうすべきだ」、「あのようにしてはならない」等と説く処世訓が、全く真実ではなく、混乱した社会を調和させることも、個人を幸福に導くこともできないことを看抜いていたのですが、自分自身も内在の普遍意識から来る叡智を完全に表現できる程には進化していなかったために、代わりになる指標を見付けることもできずにいました。

その上、物質界の物事の進め方には全く不慣れであったために、毎日の生活が順調には進まないということもあって、嵐の中に漂う小船のようになっていた人達も多く、心が純粋な人の場合には迷った宗教に引っ掛かったり、精神に異常をきたしたり、心の内に引き籠ったりするような場合もありました。

勿論このような分離意識の少ない恒星系からやって来た人達であっても、魂がこの時代の地球圏での生活を自ら選んでいたわけですから、地球の物質レヴェルという、宇宙の中でも極めて鈍重で混沌に満ちた世界の中で、いかにして内在の神性を発揮させ、環境を克服して、周囲とも調和して往くことができたかどうかということが、魂の成長と、自らの恒星系の集合意識の経験を豊かにするという本来の目的の上でも、大切なことであったわけです。

「『黎明　上巻』葦原瑞穂著」より

地球に長くいる魂の表現者たちは、大人のいうことは絶対正しいと思って成長します。
自分よりも長く生きている人、力がある（ように見える）人、先生と呼ばれる人、世の中で認められている人が、間違ったことを言うはずがないと思い込み、それに従います。また、多くの人がやっていることをしておけば安全だと感じます。

ところが、短期滞在者たちは、自分よりも長く生きているとか、先生とか、世の中で認められているとか、そういうことに影響されません。
その人が本当に幸せかどうか、軽やかかどうか、というのを潜在的に見抜くわけです。

幸せでない人の言うことを聞いても仕方がないので、一人反発します。
でも、自分自身もまだ魂的には未熟なので、自分の内なるガイドに従うこともできないし、だからといって、外側に信頼できる指標となるものもなかなか見いだせずにいます。

短期滞在組タイプの人からよく聞く話なのですが、小さいころからなんとなく「早く帰りたい」っていう思いがふと出てくることがあったそうです。帰りたいっていっても、どこから来たのかも知らないのに。

地球というテーマパークでめったにないリニューアル一大イベントがあるというから遊びに来てみたものの、予想以上にひどいところで全然楽しめなくて、「来るんじゃなかった、、早く帰りたい」とばかり考えてしまう、といったところでしょうか。

自殺してしまった人や自殺願望者にも、短期滞在者が多いのかもしれませんね。

もし短期滞在者たちが、自分たちがどこから来たのかとか、自ら選んで地球に生まれてきたんだ、ということを覚えていれば、もう少しうまく地球環境でやっていくことができるのでしょうけれど、やはり「忘れる」ことでしか魂を進化させることができないのでしょう。

短期滞在者たちが「忘れる」ことで覚える感情が、「怒り」と「恐れ」と「孤独感」です。
世の中の理不尽さに対する「怒り」、わかってもらえないという「怒り」、うまく人間関係や社会へ適応できない自分への「怒り」、、、
異質な地球人の集合意識への「恐れ」、人間のもつ攻撃性への「恐れ」、救われないかもしれないという「恐れ」、、、
誰ともつながれない「孤独感」、、、

「怒り」、「恐れ」、「孤独感」、、そういう感情はもちろん普通の地球人の中にもあるのですが、短期滞在者の溜めこんできたこれらの感情の量は相当なものです。長期滞在者には計り知れないものなのかもしれません。

地球人と分かり合えないのなら、元宇宙人同士で繋がれたらだいぶ良いような氣がしますが。
ところが、短期滞在者同士が出会っても仲良くやっていけるかというとそうでもないのです。

それはこの抑圧感情が身体に相当な量溜まっていて、その塊（ペインボディ）の操り人形となってお互いに傷つけあったりしちゃうんですね。

身近な長期滞在者との間に距離を作ってしまうのも、これらの抑圧感情（ペインボディ）。
本来は、長期滞在者と短期滞在者は持ちつ持たれつの関係なんです。
長期滞在者は、魂を進化させるために短期滞在者に強固な固定観念を破壊してもらう必要があります。
短期滞在者は、不慣れな地球で生きていくために、長期滞在者にサポートしてもらわなくてはなりません。

次回は、その関係を円滑にしていくためには、ということについて書きます。