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他人を通じて自分を知る方法②

抑圧と投影

今回は、他人が自己の知られざる一面を映す鏡となる具体的な現象を挙げていきたいと思います。

多くの場合、相手の中に「自分の抑圧※」を見て、それで感情が刺激されるということが起こります。
あの人のこういうところが嫌、どうしてあんなことができるんだろう、あそこさえ直ってくれたらいいのに、信じられない・・・と相手の言動、態度、パターンにストレスになるほど反応してしまうとき、
相手の中にみる嫌な部分、すなわちあなたの感情をもっとも刺激する部分は、実はあなたも持っているけれど持ってないことにしておきたい部分、
気づかないか見て見ぬふりをしている部分、受け入れたくない部分=すなわち「抑圧している」、というのがまず挙げられます。

例えば誰かが自分の優秀さや恵まれた環境やらを自慢していたとして、それに対してストレスを感じたとします。
実際にはただ自分のことを相手は話しているだけなのに、あなたがそれを「自慢」だと解釈しているだけなのですが。
この場合は、相手の話す内容があなたの抑圧された劣等感を刺激するものであるか、
あるいは、「私だってそこそこ優秀だし恵まれているところもあるけれど、あんなふうに自慢げに話したりしない」という気持ち―これも結局のところ隠れた劣等感があったりするのですが―であなたが過剰に反応しているということが考えられます。
もしあなたが劣等感を抑圧していなければ、相手の話を聞いても単に、「いいなあ、うらやましいなあ」と思うか、よかったね、と祝福の気持ちが出てくるだけで、イライラせずに済むはずなのです。

劣等感とは別のケースを説明します。
誰かが平気で偽善やら自慢やらいじわるやら不正やら厚かましいことやらルール違反やら、いわゆる「倫理的によくないこと」をうまくやっているのを見て、
もしそれで「許せない!」、「正さなければ」と過剰に感情反応している場合、このケースであなたが映しているものは、「本当は自分もそういうことをしたい(けどできない)」あるいは、
「自分の中にもそういう“よくない”部分があるけれど、認めたくない」という抑圧・否定です。

繰り返しますが、もしあなたの中に抑圧がなければ、そういうケースを見ても軽蔑したり、距離を置こうとしたり、かわいそうだと思ったりすることはあっても、そこまでストレスを感じることはありません。
「感情反応」、これがカギです。

倫理観というのには二通りあり、一つは、例えば世の中で「悪い」とされていること(自慢・怠惰・偽善・嘘・不正・迷惑行為・きちんとしていない、など)を、「したくないから」しない(愛ベース)、というもの、
もう一つは、「してはいけないから」しない(恐れベース)、というものです。
1つ目の「したくないから」しない、は、生きた倫理としてあなたの中に統合されていて抑圧が生じませんが、
2つ目の「してはいけないから」しない、の方は、「してはいけない」と教えられてきたからにすぎず、「正しい人と思われるように」「他人から悪い評価をされないように」「いい人でいたいから」しない、ということで必ず抑圧が生じます。

「したくないから」しないことを誰かがしている場合は、別に感情的に反応することはないのです。
正そうとか、思い知らせようとか、無理やりやめさせようとか、そういう気持ちも起こりません。
だから、こういう「してはいけないから」しない、という倫理観に縛られている人ほど、イライラし、怒りが生じ、批判的になったり、不満の多い人になったりして、当然人間関係においてもトラブルの多い人となります。
誰かの言動を見て、イライラ・ストレスなど感情反応が生じているときは、そういう状態が生じさせているものは何なのか見てみなさい、というチャンスなのです。

前に、自分を愛するとは、つまり自分のすべてを否定しないことだと書きました。
抑圧=否定、なので、鏡現象で抑圧が見つかったら、まずは「そんな部分が自分の中にもある」ということを受け入れることです。
偽善的な自分、不正をしたい(した)自分、怠惰な自分、うそつきな自分、きちんとできない自分、いじわるな自分など・・・これは、必ず、どんな人の中にも存在する部分です。

もちろん抵抗もあるでしょう。今までずっと外に向けてきた怒りの対象を自分の中に見ないといけないのですから・・。
ここで多くの人が勘違いしていることですが、受け入れるということは、そこが拡大されてそういう人になってしまうということでは決してありません。
受け入れる=統合される、ではじめて自分の中に「生きた倫理」として内在化されるのです。

鏡現象の活用は、自己愛を高めて生きやすくなるためのもっとも有効な手段なので、どんどん活用していきましょう。
このテーマ、まだまだ続きます。

※抑圧・・・不快な観念・イメージ、記憶などを無意識に押し込めて意識しないようにすること。

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