エロスとアガベーの統合
エロスとアガペー
インテグラル理論の創始者、ケン・ウィルバーの教義に、「エロス」と「アガベー」という概念が出てきます。
エロス・・・献愛
アガベー・・・慈愛
真実の愛には2つの面があります。
真実の愛は、このエロス(献愛)とアガベー(慈愛)を同時に兼ね備えています。
もう少し詳しく言うと、
エロス・・・精神的自立に導く愛、超越、高みを目指す愛、様々な過ちを厳しく正す父性的な愛、今よりもさらに上に行きたい情熱、手放し、進化・深化、真理のマインドの目覚め
アガベー・・・ありのままを受容する愛、依存を許す愛、優しく育んでいく母性的な愛、これまでの自分のプロセスを抱擁する、統合、真理のハートの目覚め
空海が伝えた密教にある、「両界曼荼羅」における「金剛界」と「胎蔵界」というのがありますが、
それも同じことを意味していると思います。
金剛界・・・「金剛」とはダイヤモンドのこと。強固で普遍的な完全性を表している。
胎蔵界・・・「胎蔵」とはマトリックスのこと。母親の胎内のように、森羅万象すべてが包み込まれている様子を表している。
「金剛界」と「胎蔵界」の曼荼羅
エロスとアガペーのアンバランスが生み出す問題
私たちが真の成長を遂げるには、エロスもアガペーもどちらも必要なのですが(基本、地球にいる私たちはどちらも不足しています)、どちらかに偏ると、問題が現れます。
アガペー不足エロス過多だと、この世の否定につながります。
宗教原理主義は、神のためにこの世を否定し、憎悪を引き起こします。
一方エロス不足アガペー過多になると、依存や執着が強まり、成長できません。
近代文明では、「今だけ、自分だけ、お金だけ(今さえよければ、自分さえよければ、お金さえあれば、、)」という”3だけ主義”が蔓延し、精神の高みを目指し自己を超越していくという感覚がほとんど失われているので、アガペーのみを追求すると、自己確立の機会を失い、現状維持だけを望む「集合意識」に埋没してしまう恐れがあります。
個人レベルで言うと、
幼少期に”アガペー”の甘えること、依存すること、ありのまま受け入れられる、を十分に体験したら、
”エロス”の導きによって、幼児から大人へと”健全に”成長していくことができます。
しかし、幼少期に親が厳しかったとか、不在がちだったとか、精神的に未熟だったとかで十分に依存(甘え)を経験できなかったり、実際の年齢以上のことを期待され要求されて成長すると、エロスに偏りアガペー不足になります。
そうするとどうなるかといえば、幼児期に満たされなかった欲求が、大人になって違う形で吹き出ます。
(恋人・伴侶に対する依存、コントロール欲求、自己否定、世間に対する憎悪など)
子供の頃十分に甘えられなかったアガペー不足、エロス過多の人は、非常に多いように思います。
私がやっているセラピー・カウンセリングは、基本アガペー重視です。
幼少期や過去に満たされなかったニーズに向き合い、「辛かったね」、「甘えたかったんだね」、「あなたは悪くないよ」といって、その時のあるがままの自分を「抱擁」し、統合していきます。
そして、不健全な自己イメージを肯定的なものへと変えていきます。
しかし、アガペーだけだと成長しません。
エロス不足アガペー過多(つまり偽アガペー)だと、自立心が育たず、自分で考えて行動していく力、変えていく力(バイタリティー、勇敢さ、大胆さ)が生まれません。
「でも、、、、」、「だって、、、」、「めんどくさい」、「無理、、、」といつまでも子どもみたいに駄々をこねて、今の自分のステージに執着します。
セッションでもなかなか変わらない、という場合は、アガペーの受容の愛だけはだめで、時には厳しく突き放したり、多少耳の痛いことを言うエロスの愛も必要になります。
世の中にはたくさんの導きがありますが、
エロスとアガベーのバランスがよいものというのは、もしかしたらあんまりないのかも?と思うことがあります。
これは受け取り側の問題でもあるかもしれませんが。。。
たとえば、昔一時的にハマったことがある、とある方が提唱されている「悟りに至るための心理学的アプローチ」で提唱されていることの一つに、
「傲慢、怠慢、無知を自覚し決別すべし」、というのがありましたが、これは一歩間違えるとアガペーなきエロス、つまり偽エロスになります。
自己を超越し精神的な高みに向かっていくバイタリティーがあればよいですが、過去の自分をしっかり抱擁できていないと、自分にも他人にも厳しい「ねばならない」人間になり、真の愛から遠ざかってしまうのです。
昨今のラディカルな非二元の教え(「苦しみは幻想です」、「苦しんでいる”あなた”も本当はいません」は、アガペーなきエロスとなり、抑圧が生まれます。
「すべては完璧」、「ありのままを許しましょう」というアガペーを追求したメッセージだけに偏ると、覚醒とは正反対の”怠惰な眠り”をもたらすことになりかねません。
「悟りの境地に至りたい!」と瞑想など霊的修行ばかりするのも、一歩間違えればエロス過多、この世の否定につながり、横のつながりや日々のありのままの生活をおろそかにしてしまいます。
「アガペーと慈悲の名のもとに彼らは低位を抱擁せんとする絶望的な希求のなかで、すべての高位をあやまって破壊してしまうのである」
『進化の構造2』 ケン・ウィルバー、P.38
エロス(未来への愛)とアガベー(過去への愛)のバランス、大事です。
そして、この2つの統合の先に、一瞬一瞬を淡々と生きるという” Be here now” という生き方があるのではないかなと思います。
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「あなたが自分を完全に愛していないなら、
どこに取り組む必要があるのか、相手が教えてくれる。」
by バイロン・ケイティ
この講座では、知識を智慧へと変容させていくヒントを交えながら、 日常に起こるいろんな出来事から深い愛のメッセージを読み解く方法を学び、 たくさんの気づきと癒しを体験していただきます。
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※他の回を受講していない方、単発でも参加可能です。
※講座についての詳細はこちらをお読みください。
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