前回の記事で、「未知の世界」、「未知の選択」という言葉が出てきました。

今日はここをもう少し掘り下げようかと思います。

なかなか問題が解決しない、変わらない、苦しみから解放されない、という時に、多くの人がぶつかるポイントが、この「未知の世界」への抵抗、恐れなんです。

以下、【ハイブリッド人生心理学　入門編（上）】より

心に枠をはめる方法で「成長しよう」とした場合、完成形のゴールに至る前は、その状態を楽しむことが絶対にできなくなります。「こうでなきゃ駄目だ」という脅しの中で生きているわけですから、ゴール前の自分は、不安や恐怖の中で生きることになります。

本当の心の成長を望む場合に、知って受け入れるべきことは、こうなれれればいいという姿ではありません。全く未知の状態に自分が変化し得るという事実を、受け入れることです。

実際に心が成長する過程とは、本人には、「こうなりたいと思っていた自分になれた」と感じるのではなく、「こうなりたいと思っていたのさえ無駄なような未知の自分になった」という感覚の中で体験されます。

 

多くの人は、今の問題（悩み苦しみ）が解決した先のイメージを持ちます。

実は、このイメージを持ち続けることが、問題を解消できない原因になっているのです。

前回紹介した波動学では、脳は8階層の多次元構造になっていると教えています。
葛藤や悩みというものは、表層の脳（低次の脳、前頭葉、大脳皮質）で作られます。
そして、「こうあるべき」、「こうなってほしい」というイメージも、同じ階層の脳にあるイメージです。

葛藤や悩みができた同じ階層（前頭葉、大脳皮質）で、それを解消することはできないのです。
まだ未開発の、より上の階層（深層の脳、潜在意識）でのみ、処理する事が可能なのです。

だからやはり、深層脳を活性化させる、深層脳にアクセスする、ということが必要になってきます。

これが、ハイブリッド人生心理学でいうところの「未知の世界」、「未知への選択」です。

こころの成長のプロセスは常に未知への選択です。
「知っている世界」、「考えること」の中に、解決の答えはない。

それを知っていることは、冒頭に書いた「抵抗・恐れ」を乗り越えるのにとても役に立つと思います。

この未知の世界へ踏み込んでいく、というのは、本当に怖いし勇気がいります。
わたしも何度も体験があります。
浅い脳が知っている世界というのは、集合意識が作っている世界。
まわりにはその先の世界（高次の世界）を生きている人がほとんどいないのです。
家族、友人知人、仕事の仲間、知り合いに一人いたらラッキーだというレベルだと思います。

だから、たった一人で新しい世界に踏み込んでいくような感覚があります。

先の未知の世界を、まわりの人は知らないけれど、この世に誰も知っている人がいないというわけではありません。古今東西、必ずあなたより高次の世界に生きている人たちがいます。

その先人たちがどんな風に生きているのかを、見聞きすることができます。
彼らは最初からそこにいたのではなく、同じように「未知への恐怖」を克服してきたわけです。

わたしが未知を選択する恐怖を今日まで乗り越えられてきたのは、たくさんの先人たちの教えに触れられたからだと思います。

そして、わたしのこれから進んでいく先も、常に未知です。

未知の世界に進んでいくのに、ずっと恐怖が付きまとうのかといえば、そんなことはありません。

深層脳が活性化されるほど、恐怖のエネルギーは減っていくのです。

つまり、前頭葉の低次元思考にとらわれている人ほど、未知の世界に心を解き放つのは難しい、言い換えると、癒しが進まないということになります。

あと、少し前に書いた「そんなに普通がいいですか？」の記事の、「普通の人になりたい」という人。

自分は人としておかしいから、普通になりたい・・・

この、「普通の人」というのも、「こうあるべき姿」という既知のイメージにすぎない。

あなたが苦しいのは、「人としておかしい」からではなく、前頭葉の思考の中から抜け出せないからなんですよ。

その苦しみから抜けるには、やはり「こうなりたい、こうあるべき」という既知のイメージを手放すしかないということになります。

「こころの障害」、「こころの病」、「人としてあるまじき状態」を、消そうとしなくてもよいのです。
それはひとまず脇に置いておいて、目指すべきは高次の脳を使えるようになること、そのためにはまず、未知を選択することです。

今までわたしが「未知」を選び、そこに飛び込んできてわかったこと。
それは、自分が知っていた「こうあるべき姿」、「こうなりたい」よりもはるかにはるかに素晴らしい状態だったということです。

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